枕の正しい干し方|天日干しと陰干しの素材別の見極め方や便利アイテムを紹介

2023年3月3日

エムール睡眠・生活研究所

枕の干し方には天日干し陰干しの2つの方法があります。枕の素材によって適切な干し方が変わってくるので、注意が必要です。

この記事では、枕の素材別の正しい干し方や干す際のコツ、枕を干すのに使用できる便利なアイテムについて解説しています。

枕の素材別の干し方や枕を吊るして干す方法について悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

枕の正しい干し方は素材によって変わる

枕の干し方は枕の素材によって直射日光に当てる天日干しと、日陰や室内に干す陰干しに分かれています。

そもそも枕には、素材によって洗えるものと洗えないものがあります。また干す目的も「洗えない枕のお手入れのため」と「洗った枕の乾燥のため」の2パターンです。

洗える素材の中でも天日干しに向いている素材と、陰干しに向いている素材に分かれており、それは洗えない素材でも同様です。

素材別の水洗い・天日干し・陰干しの可否は以下の一覧表を確認してください。

素材名 水洗い 天日干し 陰干し
小豆
そばがら
ひのきチップ
パイプ
ポリエステルわた
コルマビーズ
ミニボール
ビーズ
ラテックス
羽根(羽毛)
高反発ファイバー
低反発ウレタン
高反発ウレタン

あくまでも目安であり、絶対ではありません。枕を干す際は事前に洗濯表示や取扱説明書を確認するようにしましょう。

枕の天日干しのやり方

天日干しには、湿気を排出させることでカビやダニの発生を抑える効果と、紫外線による殺菌・消臭効果のメリットがあります。

清潔な状態の枕で快適な睡眠を送るためにも、天日干しに適した日時や手順を把握しておきましょう。

天日干しができる枕の素材

一般的に天日干しが可能とされている素材は以下の7つです。メーカーによって仕様が違う場合もありますので、干す際は事前に洗濯表示や取扱説明書を確認してください。

  • 小豆
  • そばがら
  • ひのきチップ
  • パイプ
  • ポリエステルわた
  • コルマビーズ
  • ミニボール

小豆やそばがら、ひのきチップなどの天然素材の枕は湿気がたまると虫が湧く可能性があるので、カラカラになるまでしっかり乾かしましょう。

枕の天日干しの手順

天日干しの手順は以下の通りです。

  1. 枕の形を均一に整える
  2. 枕干しハンガーなどを使い、日の当たる場所に干す
  3. 干す時間の半分ほど経過したら、もう片面に日を当てる
  4. 乾燥したのを確認した後、枕を取り込む
  5. 掃除機を表面にかけた後、再び形を均一に整える

枕専用ハンガーを使用した吊り干しがおすすめですが、なければ窓際やベランダなどの平らな場所に置いて平干しでも構いません。

天日干しをした後は、枕に付着したダニの死骸やホコリ、花粉などを取り除きましょう。叩くと飛散してしまい吸い込むリスクがあるので、掃除機で吸うことをおすすめします。

枕の天日干しに適した気候

湿度40%以下のよく晴れた日がおすすめです。湿度が高いと、枕自体に含まれる水分が蒸発しにくくなってしまい、乾きが悪くなってしまいます。枕を天日干しする際は、事前に外の湿度を確認しておきましょう。

枕の天日干しに適した時間帯

枕の天日干しに適した時間帯は、1日に中で最も紫外線量が多くなる10~14時頃です。

この時間帯に天日干しをすると、1時間程度で殺菌の数が大幅に減少し、高い殺菌効果と消臭効果が期待できると言われています。

枕を天日干しする時間

枕を天日干しする時間は、紫外線量によって変わります。夏なら2時間程度冬なら3~4時間程度を目安にしましょう。

天日干し可能であっても、直射日光に長時間当ててしまうと劣化が早くなる恐れがあります。枕が乾いたことを確認できたら、なるべく早く取り込んでください。

また春や秋は季節の変わり目で寒暖差が激しいため、天気や湿度によって干す時間を調整することをおすすめします。

枕の陰干しのやり方

陰干しは熱に弱い素材の枕でも、劣化を気にせずに干せることがメリットです。また天日干し同様、除湿やカビとダニの発生を抑える効果があります。正しく陰干しを行えるように、適した日時や手順を把握しておきましょう。

陰干しができる枕の素材

一般的に陰干しが可能とされているのが以下の6つです。メーカーによって仕様が違う場合もありますので、干す際は事前に洗濯表示や取扱説明書を確認することをおすすめします。

  • ビーズ
  • ラテックス
  • 羽根(羽毛)
  • 高反発ファイバー
  • 低反発ウレタン
  • 高反発ウレタン

上記の素材はどれも熱に弱く、直射日光に当ててしまうと劣化を早めてしまいます。風通しの良い日陰で陰干しするようにしましょう。

枕の陰干しの手順

枕の陰干しを行う手順は以下の通りです。

  1. 枕の形を均一に整える
  2. 日陰や室内など、風通しの良い場所で干す
  3. 乾燥したのを確認したら、枕を取り込む
  4. 枕の表面を掃除機にかけ、ホコリなどを取り除く
  5. 最後に枕の形を均一に整える

陰干しは屋外でもできますが、外気に触れにくい室内がおすすめです。花粉やチリなどの汚れが付着しないというメリットがあります。

室内で干すときはなるべく窓を開けて、風通しをよくしましょう。さらに扇風機やサーキュレーターなどを使うと、より効率的に乾かすことができます。湿度が高い時期なら、除湿機やエアコンの除湿機能などを使うと、比較的早く乾燥するでしょう。

なお枕専用ハンガーを持っていない場合は、日陰になっている平らな場所に枕を置いて平干しをします。枕の下に新聞紙を敷いておくと枕の湿気を吸い取ってくれるため、平干しでも効率的に乾かすことができます。

枕の陰干しに適した気候

陰干しの場合も天日干しと同様に、湿度40%以下のよく晴れた日がおすすめです。湿度が高いと、枕自体に含まれる水分が蒸発しにくくなってしまい、乾きが悪くなってしまいます。

ただし室内の場合は、除湿機やエアコンの除湿機能などを使うことで、湿度が高い日や雨の日でも陰干しすることができます。

枕の陰干しに適した時間帯

室内なら日陰に干すことができれば時間は問いません。しかし屋外に干す場合は、直射日光が強い10~14時頃を避けた時間帯に干すことをおすすめします。

枕を陰干しにする時間

陰干しする時間は3~6時間ほどが目安です。干してから数時間後に枕を持ってみて、洗濯前もしくはお手入れ前より軽く感じられたら乾いている証拠です。乾いていることが確認できたら早めに取り込みましょう。

陰干しは天日干しに比べて乾きにくい傾向にありますが、だからといって熱に弱い素材を無理に天日干しにするのは避けましょう。枕の劣化を早め、機能を損なわせてしまいます。

枕を干すときに使用できる便利アイテムと使い方

枕を干すときは専用のハンガーやネットがあると便利ですが、ない場合でも、家にあるもので工夫すれば簡単に干すことができます。ここからは専用アイテムとその使い方の他、家にあるアイテムの使い方を3つ紹介します。

1.枕専用ハンガー

枕専用ハンガーとは本来物干し竿に吊るすことができない枕を、吊るして干せるアイテムです。

枕専用ハンガーが枕を挟んで固定するため、型崩れや落下の心配なく吊るすことができます。また枕のサイズを選ばないので、大きな枕を使用している人にもおすすめです。

2.洗濯用ネット×ズボンハンガー

家にある洗濯用ネットとズボンハンガーを組み合わせることでも、枕を干すことができます。使い方は簡単で、枕を洗濯ネットに入れ、ズボンハンガーで吊るすだけです。

ズボンハンガーは紐付きの洗濯ばさみでも代用できます。家に枕専用のものがない人におすすめです。

3.平干しネット

枕をそのまま置くだけで乾かすことができるネットです。多くの商品は1~3段の折り畳み式になっています。

天日干しに使用する場合は風でネットが傾いても枕が落ちないように、防風機能のあるものを選びましょう。

素材に合った干し方で枕を清潔に保とう

枕はお手入れでも水洗い後の乾燥でも、素材によって向いている干し方が異なります。

素材別に向いている干し方の目安はあるものの、それぞれの枕によって異なる場合があるため、干す前に洗濯表示を確認してくださいね。

誤った干し方で枕の劣化を早めてしまわないよう注意も必要です。適切な干し方で枕の清潔を保ち、健康的な睡眠を手に入れてください。

執筆者/監修
Author

エムール睡眠・生活研究所

  • 【所長・主席研究員】神川 康子 富山大学 名誉教授 博士(学術)一般社団法人日本睡眠改善協議会理事。日本眠育協議会理事。富山県公安委員会委員。富山県社会福祉協議会理事。
  • 【所属有資格者】 日本睡眠改善協議会認定 上級睡眠改善インストラクター 1名/睡眠改善インストラクター 6名 日本睡眠教育機構認定 睡眠健康指導士上級 2名/睡眠健康指導士 11名
  • 【活動内容】 「続けられる具体的な睡眠改善」をテーマに、専門的な見地からのデータ収集と分析及びソリューション開発を目的として設立。 寝具や寝室環境に関する調査研究や睡眠教育など広く社会に役立つ研究開発と知識啓発を行っている。 詳細はこちら https://nemuri-kurashi.jp/activities/