低反発枕の向きは何が正しい?安眠のため角度や寝姿勢も確認しよう

2023年6月29日

エムール睡眠・生活研究所

低反発枕とは、反発力が弱い素材で作られた枕の総称です。反発力が弱いため、手のひらや指で押すと時間をかけてゆっくりと元の形状に戻るような枕を指します。多くの低反発枕は上下の端の高さが異なり、横から見ると大小2つの山のような構造になっているのが特徴です。

基本的には高い山側を首に当てるように使用しますが、この向きを間違えてしまうと逆に首が痛くなる原因になってしまうことも。

この記事では、低反発枕の正しい向きと向き以外に大切なこと、低反発枕の選び方やお手入れ方法を紹介します。さらに、おすすめの商品を紹介するのでぜひ参考にしてください。

低反発枕とは

低反発枕は柔らかいウレタン素材などで作られ、形状は真ん中がくぼんでいて上下には高い山と低い山があるものが多いです。

頭や首の形、体型、就寝時の姿勢などに合わせて柔軟に形状が変化し、頭から肩まで包み込むようにぴったりとフィットします。頭部のフィット感が向上し、体圧分散性に優れているのが特徴です。

しかし、水洗いできるものが少ないため、清潔さの維持が難しいというデメリットもあります。

低反発枕の向きは何が正しい?

低反発枕の向きを理解して正しく使用しないと快適な睡眠が得られず、身体の痛みの原因になります。ここでは低反発枕の正しい向きを紹介するのに加えて、逆向きで寝てしまった際の良くない理由も紹介します。

基本的には高い方が首側

基本的には高い方が首側、低い方を頭側で使用します。最近はスマートフォンなどの電子機器を扱う時間が長いため、首の骨が正しい形の曲線ではなく直線になる、ストレートネックとなっている人が多いです。

ストレートネックの人は低い方が首を乗せやすいため、低い方が首側と感じる人も多いかもしれませんが正しい向きは逆です。ただし、同じ低反発枕と表記した商品でも素材や構造が異なり、向きが変わる可能性もあります。念のため説明書などで確認をしましょう。

低反発枕を逆向きで寝ると良くない理由

低反発枕の向きを間違えてしまうと寝心地が悪くなったり、朝起きた時に首や肩が痛くなったりと睡眠の質が悪くなる原因に。
低い山を首側で使用した場合には、低反発枕の効果が得られず使用する意味も無くなってしまいます。
低反発枕を使用していて、首が痛いと感じている人は正しい向きで使用しているか確認しましょう。

向き以外に大切なこと

正しい向きで低反発枕を使用しても高さが合わなかったり、寝姿勢が悪かったり、マットレスの相性が良くないと良質な睡眠はとれません。ここでは、低反発枕の向き以外に大切なことを紹介します。

枕の高さ

低反発枕を正しい向きで使用しているのに身体の調子が悪いと感じる人もいます。その原因は枕の高さかもしれません。

初めて低反発枕を使用すると独特の沈み込みに慣れず、今まで使用していた枕の高さとの違いから肩こりの原因になります。慣れるのに時間がかかるため、すぐに良し悪しを判断せず、まずは2週間程使用してみましょう。それでも慣れない場合は今までの同じ高さの低反発枕を使用することをおすすめします。

寝姿勢の角度

低反発枕を使用して寝る際も理想的な寝姿勢の角度を理解することは重要です。ポイントは2つあります。

  • 頭頂部から肩までの角度が10〜15度
  • 顎の角度:5〜7度

この2つを意識して低反発枕を使用すると、首の骨の曲線が理想的で自然な形で保持できるだけでなく、気道が良く通り寝ている時に呼吸が楽に行えます。細かな角度を気にするよりも近い角度で自分に合ったポジションを見つけることが重要です。

マットレスとの相性

低反発枕とマットレスの相性は重要です。気に入った低反発枕を使用しても、マットレスの硬さの違いにより身体の沈み込みが起こります。沈み込みの程度で寝姿勢の角度が変わってしまうため、マットレスの硬さに合わせて低反発枕を選ぶことが大切です。

柔らかいマットレスには低めの枕、硬いマットレスには低めの枕を選ぶと理想的な角度を保持できます。

低反発枕の選び方

低反発枕の選び方は使用目的によって異なりますが、サイズ、素材、形、反発力の強さ、お手入れのしやすさを基準に選ぶといいでしょう。

1.サイズで選ぶ

低反発枕のサイズを選ぶ際は、高さと幅が重要です。高さが合っていなければ低反発枕の良さである、体圧分散性やフィット感の良さが十分に発揮されません。低反発枕は沈み込みがしやすいため、一般的な枕よりも1cmから2cm高いサイズを選ぶのがおすすめです。

現在販売されている低反発枕の多くは35×50㎝程度の幅の小さめなものが多いです。
寝返りを打った際に頭が落ちることが心配な人は横幅の広い低反発枕を選ぶと良いでしょう。

2.素材で選ぶ

低反発枕を選ぶうえで素材選びは重要です。以下、低反発枕でよく使用される素材です。

  • ウレタンフォーム
  • 綿
  • ラテックス
  • パイプ
  • 低反発ウレタンチップチップ

代表的な素材はウレタンフォーム。ポリウレタン樹脂を発泡させたスポンジ状のものです。枕の他にもマットレスや家具などにもよく使われています。

最近では複数の素材を組み合わせたものや独自開発して作られた素材のものなど、さまざまな低反発枕が販売されています。

3.形で選ぶ

低反発枕の形状は、寝る向きや身体の悩みによって適した形状があります。
以下、表にまとめたので参考にしてください。

形状 寝る向き 特徴 おすすめの人
ウェーブ型 仰向け ・寝返りがうちやすい
・筋肉のこわばりや血液の停滞を防ぐ
肩こりに悩んでいる人
ネックフィット型 仰向け
横向き
・頭が枕から落ちにくい 首の凝りやストレートネックに悩んでいる人
横向き寝に適した型 横向き ・幅が広い いびきを防止したい人

4.反発力の強さで選ぶ

低反発枕の反発力は、枕の種類や形状によってさまざまです。反発力が低いほど姿勢や体型に合わせて柔軟に形状が変化するため、フィット感が得やすいです。

ただ、反発力が低すぎると頭や首が深く沈み込んでしまい、寝返りがしづらくストレスを感じてしまいます。寝返りを重視したい人は、程よく反発力のあるものや寝返りがしやすい形状になっているものがおすすめです。

5.お手入れのしやすさで選ぶ

低反発枕の代表的な素材である、ウレタンフォームは水洗いができません。水洗いをすると形が崩れ、低反発枕の機能性が失われてしまいます。

衛生面が気になる人は、抗菌・防臭機能付きのものがおすすめです。また、カバーが簡単に取り外せるタイプであればこまめに洗濯や交換が可能なため、清潔さを維持できます。


おすすめ低反発枕3選

エムールが取り扱うおすすめの低反発枕を3選ご紹介します。
今使用している枕が合わないと感じている方や、低反発枕を使用してみたいと考える方は是非参考にしてみてくださいね。

横向き寝で手が入れられる枕



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<2層の低反発ウレタン>
頸椎弧から頭部に沿う形状を描いて成型されたモールドウレタンを中材に採用。通常のウレタンより、耐久性・弾力性に優れ、へたりにくい設計です。
また、頭部をやさしく支える上層は、型崩れしにくい高密度で柔らかめの低反発ウレタン。しっかり荷重を受け止める支持層でもある下層は、しっかり硬めの低反発ウレタンを合わせています。

<様々な寝姿勢に対応>
特殊な形状でサイドポケットがついているため、そちらに手を入れ高さを調節したり、うつぶせで寝たりするのにも向いているこちらの枕。
お好みに合わせた使用が可能です。

サイズ 約幅69×奥行30cm
高さ 約12.5-15cm
素材 カバー ポリエステル100%(ニット生地)
インナーカバー ポリエステル100%(天竺ニット生地)
中材(上層) 低反発ウレタンフォーム(密度55D) 約0.55kg
中材(下層) 低反発ウレタンフォーム(密度55D) 約0.55kg
お手入れ方法 カバー:洗濯機洗い可能
※洗濯ネットをご使用ください。
※中材のウレタンは洗えません。
価格 ¥7,990(税込)

EMOOR START PILLOW



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<複数の寝姿勢に対応>
これまで数百の枕をつくってきたエムールだから提案できる複数の寝姿勢、複数の骨格に対応した3Dモデル。
ロングセラーの低反発枕をフルリニューアルしました。
通例は高いほうが首側にあたりますが、上下を逆にすれば、低めの枕としてお使いいただけます。

<ゆったりと体圧分散>
中材には、ミドル~ハイクラスの高機能まくらに使用される45Dの低反発ウレタンを使用。
一定の密度があるため、柔らかいだけですぐヘタってしまうこともありません。

サイズ 約幅61×奥行34cm
高さ 高め:11cm
低め:6㎝
素材 アウターカバー 表面/底面:ポリエステル100% ニット生地
側面:ハニカムメッシュ
機能:ファスナー開閉式
インナーカバー ポリエステル100% 天竺ニット生地
中材 低反発ウレタン(密度45kg/m3)
お手入れ方法 アウターカバーは洗濯可能(洗濯ネットをご使用ください)
※ウレタンフォーム、インナーカバーは洗えません。
価格 ¥3,990(税込)

ボディアッパーピロー2



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<面で支える大判サイズ>
内側へくぼむ様な形状にしたことで、従来品でわずかにあった背中の違和感を取り除きました。
一般的な枕は頭と首の2点で身体を支えますが、上半身全体で支えることで集中しがちな負担を大幅に軽減することが可能です。
アームレストもついており、ほんの少しだけ肘を持ち上げることで、上半身が緩んだような感覚を味わえます。

<気持ち良い眠りを追求>
湿気をコントロールする無膜ウレタン、包み込むような触り心地の低反発ウレタンの2層構造。
専用カバーには、肌に触れる面を少なくする立体ニットを採用。
寝汗をかきやすい頭部側面と裏側にはメッシュ生地を採用。蒸れやすい夏場も安心です。

サイズ 約幅85×奥行75cm
高さ 最大13㎝
素材 表生地 ポリエステル100%(ニット生地)
裏生地 ポリエステル100%メッシュ生地
中袋 ポリエステル100%天竺ニット生地
中材 ・ウレタン上層部
無膜ウレタン厚み0.5cm 25D (25kg/m3)
・下層部
低反発ウレタン 42D (42kg/m3)
硬さ30N
・高さ調整シート厚み1.5cm 高反発ウレタン30D (42kg/m3)
お手入れ方法 側生地:ご家庭の洗濯機でお洗濯できます。
※洗濯ネットをご使用下さい。
価格 ¥9,990(税込)

低反発枕は正しい向きで使用しよう

低反発枕の向きを正しく理解して、使用することは重要です。間違った向きで使用すると、低反発枕の機能が損なわれるだけでなく、身体の痛みにつながってしまいます。向き以外にも枕の高さや、寝姿勢の角度、マットレスの相性なども大切です。それぞれを考慮して自分に合った低反発枕を選びましょう。

さらに選び方にはサイズ、素材、形、反発力、お手入れのしやすさなども挙げられます。低反発枕を現在使用している人は正しい向きの確認、これから購入される予定の人はぜひ、低反発枕の選び方を参考にしてください。

執筆者/監修
Author

エムール睡眠・生活研究所

  • 【所長・主席研究員】神川 康子 富山大学 名誉教授 博士(学術)一般社団法人日本睡眠改善協議会理事。日本眠育協議会理事。富山県公安委員会委員。富山県社会福祉協議会理事。
  • 【所属有資格者】 日本睡眠改善協議会認定 上級睡眠改善インストラクター 1名/睡眠改善インストラクター 6名 日本睡眠教育機構認定 睡眠健康指導士上級 2名/睡眠健康指導士 11名
  • 【活動内容】 「続けられる具体的な睡眠改善」をテーマに、専門的な見地からのデータ収集と分析及びソリューション開発を目的として設立。 寝具や寝室環境に関する調査研究や睡眠教育など広く社会に役立つ研究開発と知識啓発を行っている。 詳細はこちら https://nemuri-kurashi.jp/activities/