寝室の温度は快眠に欠かせない!冬・夏の季節毎の室内温度目安を解説

2023年6月16日

エムール睡眠・生活研究所

寝室の温度調整は快眠に欠かせません。暑すぎても寒すぎても良くなく、温度が適温でないと睡眠の質を落としたり、体調不良になったりすることもあります。この記事では、快眠できる寝室の温度や、暑すぎたり寒すぎたりしたときに起こるリスクについて解説していきます。

快眠できる寝室の温度

一般的に快適に眠れる室温は、16~26℃とされています。夏や冬によって適した温度に違いがあるため、それぞれ見ていきましょう。

夏は室内温度28℃前後

夏場は28℃前後に設定して眠ることが推奨されています。眠った直後は汗をかきやすく、そのままの状態で室温が低い寝室で眠っていると体が冷えすぎてしまいます。体が冷えると寝つきが悪くなることもあり、睡眠に悪影響を及ぼす可能性も。
28℃前後であれば、朝まで冷房をつけても体が冷えにくく、寝つきも良くなります。冷房が苦手な人でも冷えすぎずに眠れるでしょう。

冬は室内温度18℃前後

冬の寝室の温度は18℃ぐらいが睡眠に適した温度です。布団の中は人が入ることで30℃ぐらいまで温度が上がるため、極論をいえば室温が3℃程度まで下がっても眠れるとされています。

しかし布団の中と室温に温度差があると、急激な温度差により血圧が上下に変動して失神や心筋梗塞、脳梗塞など血管の病気を引き起こし、ヒートショックになる恐れがあります。10℃以上の温度差で起こりやすくなるため、なるべく温度差が低くなるようにしましょう。

「夏も冬も快適な温度は変わらないのでは?」と思う人もいますが、冬は夏と異なり厚着をしている場合が多いため、その分低めの設定にしないと寝苦しくなります。睡眠の質を落とさないためにも、冬の室温は18℃程度に設定しましょう。

温度だけでなく湿度も大切

睡眠の質には寝室の温度はもちろん、湿度も大きく影響します。寝るときに適した湿度は、40~60%程度です。

湿度が高すぎると、深部体温の低下による放熱をしにくくなり、スムーズに寝つけなくなることも。睡眠の質の低下以外にも、カビやダニなどのアレルゲンを増殖させる原因にもなります。

湿度が低く乾燥していると、のどや鼻が乾いて粘膜が荒れ、風邪をひきやすくなります。その他のウイルスも乾燥すると活発になるため、適度な湿度を保てるように気にしておくと良いでしょう。

寝室に適した湿度について、詳しくはこちらの記事で解説しています。


寝室が暑すぎることで起こる4つのリスク

寝室が暑すぎることで、睡眠の質が下がったり脱水症になったりするなどのリスクがあります。寝ている間に熱中症になると、命の危険もあります。この記事を参考にしてさまざまなリスクを回避していきましょう。

1.睡眠の質を下げる

夏は暑さで深部体温が下がりにくいため、睡眠の質が低下しやすくなります。前述の通り、深部体温が自然に低下することで睡眠が深くなりますが、夏はなかなか深部体温が下がりません。そのため浅い睡眠になってしまうのです。暑さで汗をかき、寝具などがベタベタになるなどの不快感でよく眠れなくなることもあります。

深部体温を下げて寝つきをよくするために、寝る前に部屋を快適に眠れる温度に設定しておきましょう。部屋を冷やすことと合わせて、眠る1~2時間前に入浴して体温を上げることで、自律神経が整い、良質な睡眠に繋がります。

汗などで寝具やパジャマが不快感になる場合は、吸湿性のある素材や、接触冷感のある素材を選ぶとひんやり感じて不快感が軽減されます。

2.脱水症を引き起こす

眠っているときには水分補給ができないため、夏は特に脱水症を引き起こしやすくなります。人間は寝ている間にコップ1杯程度の汗をかきますが、夏は体から熱を放出させるため、汗の量がコップ2杯分にもなるといわれています。

脱水症のリスクを回避するためにも、寝る前にコップ1杯の水を飲むと良いでしょう。脱水症以外にも、脳卒中などのリスク回避にも期待ができますよ。

3.熱中症を引き起こす

前述した脱水症は、放っておくと熱中症になります。軽度の症状は、めまいや立ちくらみ、大量に発汗するなどです。中度になると頭痛や吐き気、倦怠感でぐったりするなど、医療機関の受診が必要になることもあります。

さらに悪化すると意識障害やけいれんなどを起こすなど危険な状態になるため、自己判断はせずに医療機関を受診してください。

まずは脱水症にならないように、寝室の温度を調整し寝る前には水分補給を行い、自分の体調管理を行うことが大切です。

4.夏バテしやすくなる

前述の通り、寝室が高温多湿だと睡眠の質が落ちるため、疲れが取れにくく夏バテの原因になることも。高温多湿を避けるために、室内の温度を下げすぎるのもよくありません。自律神経の不調を招く恐れがあります。その他、暑いところと涼しいところの行き来も同様です。

大切なのは、暑すぎず冷やしすぎない適切な寝室の温度を保つことです。眠るときには28℃に設定をして、眠った3時間後ぐらいにタイマーをかけましょう。眠りについた後にエアコンを切ることで冷えすぎの防止ができます。また、冷房だけでなく、除湿の設定にすると湿度とのバランスも保ててより快適な環境が作れます。

寝室が寒すぎることで起こる3つのリスク

寝室の温度が高いときのリスクについて解説しましたが、ここからは冬に寝室の温度が下がり、寒すぎる場合のリスクについて解説します。

布団の中が暖かければ、室温は低くても平気だと思うかもしれませんが、寒すぎる寝室は寝つきを悪くするだけでなく、重大な病気の原因にもなりかねません。詳しく確認していきましょう。

1.睡眠の質を下げる

寝室が寒すぎると寝つきが悪くなり、睡眠の質を下げます。人は眠る準備のため、夕方から体温を下げ始め、眠るころには手足から熱を外に逃がします。しかし寝室の温度が13℃よりも低いと、体から熱を逃がしにくく、眠りの準備を整えられないのです。

寝る少し前から寝室を暖めておくと、スムーズに手足から熱を放出しやすくなるでしょう。また、部屋が暖まるまでの間も、暖かい部屋で体を冷やさないように過ごすことで入眠しやすくなりますよ。

2.脳卒中や心筋梗塞になる恐れがある

布団と寝室の温度に差があると、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。布団の中は人が入ると30℃前後に上がるため、仮に寝室の温度が10℃であれば、温度差は20℃です。この温度差が、血圧を上下させ血管や心臓の疾患を引き起こすヒートショックの原因になるといわれています。

寝室と布団の中の温度差が少なくなるように、エアコンなどで室温を保ちましょう。エアコンをつけたままが気にかかる場合は、暖かさがキープできるような保温性のあるパジャマを選ぶのもおすすめです。

3.頻尿になる

人は寒さで体が冷えると、トイレに行きたくなります。暑いときに比べて汗などが出にくくなり、体の水分が多くなるためです。また、寒さが刺激になって交感神経のはたらきも強くなり、頻尿になりやすいといわれています。

トイレに行くために何度も夜中に起きると、必然的に睡眠も浅くなり、結果として睡眠の質も低くなるのです。日中も夜も寒さを我慢せずに、エアコンなどで部屋を暖めて体を冷やさないようにすることが大切です。

寝室の温度調整に関わる3つのよくある質問

寝室の温度調整は、夏も冬も大切であることを解説してきましたが、実際に調整するとなると細かな疑問が残りますよね。ここでは寝室の温度調整において、よくある質問に答えていきます。

1.エアコンはつけっぱなしだと良くない?

寝室のエアコンのつけっぱなしは睡眠の質を下げるため、よくありません。人は眠るときに体温を下げて体や脳の機能を休めますが、エアコンで必要以上に体を冷やすとで自律神経が乱れ、十分に休められなくなってしまいます。
寝つきやすくするためにエアコンで寝室を冷やしておき、寝る前に3時間ほどタイマーをかけて眠りましょう。タイマーが切れた後は適温で体を休めることで、快眠を得られるでしょう。

2.扇風機を併用した方が良い?

エアコンと扇風機の併用は効率良く空気を循環させられるため、快適な室温を保つのに効果的です。暖気は上に、冷気は下に移動する性質があるため、扇風機があると上下の室温のムラをなくし均等に保てます
しかしこちらもつけっぱなしには要注意です。エアコンも扇風機も風が当たっていることには変わりがないため、つけっぱなしにしていると必要以上に身体を冷やしてしまうことに繋がります。

エアコンとベッドの位置関係にお悩みの方はこちらの記事も是非参考にしてください。

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3.エアコン以外の体温調整方法は?

寝室の温度調整以外にも、パジャマや寝具を調整することで快適に眠れるようになります。
詳しくは次の章を参考にしてください。

季節によってパジャマと寝具はどうすればよい?

睡眠時に早の温度以外でも欠かせないものがパジャマと寝具です。
これらのものも温度調節に大きく関わってきます。
季節によってどのようなものを選べば良いのか確認していきましょう。

夏のパジャマと寝具

室温が高い場合は半袖短パンがおすすめですが、冷房を使用し室温を下げる場合には長袖長ズボンのパジャマが体の温度調整がしやすくなるためおすすめです。

吸水性のある素材を選べば、汗のベタつきも感じにくく、寝心地もよくなります。コットン素材やガーゼ素材、リネン素材などがおすすめです。

冬のパジャマと寝具

寝室の室温を18℃に設定していれば、特別に冬用のパジャマでなくても問題はありません。暖房を使用しない場合や寝室が冷え込みやすい場合は、コットンなどの自然素材やパイルなど保温性に優れた素材を選ぶと良いでしょう。

寝具は、ガーゼなどの柔らかい素材のシーツなどを選ぶと暖かく感じられるでしょう。一般的な綿のシーツは肌触りは良いですが、ひんやりと感じてしまうからです。吸湿発熱する素材の敷きパッドや毛布なども、冷え込む冬にはおすすめです。

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SLEEP TRACKERは、従来のセンサーでは取れなかった微細な呼吸数や心拍数までも計測することが出来る非接触型圧電素子センサーです。
さらに、温湿度センサーも内蔵し、寝室内の室温や湿度までも計測可能です。
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もちろん日本語対応となっており、月々の定額料金もかかりません(アプリ接続時の通信料を除く)。
睡眠計測以外にも、快眠音楽プレイリスト機能や、寝るたびに毎晩自動的に記録する睡眠レポート機能を搭載しています。

サイズ&スペック EMOOR SLEEP MATTRESS 約幅97×奥行198×厚さ12cm(シングルサイズ)
アウターカバー:表面・側面:ポリエステル95%、ポリウレタン5%(膨れニット生地)
底面:ポリエステル100%(メッシュ生地)
中材:ポリウレタンフォーム約12㎝
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価格 ¥35,000(税込)

寝室を快適な温度に保ち睡眠の質を上げよう

寝室の温度を季節ごとの適温に保つことで、快適な睡眠を得られます。寝室の温度が高すぎると脱水症や熱中症の危険があり、低すぎると脳卒中や頻尿の原因にもなりえます。健康で元気に過ごすためにも、季節によって寝室の温度にも気をつけて、快適な睡眠を得られるようにしてくださいね。

執筆者/監修
Author

エムール睡眠・生活研究所

  • 【所長・主席研究員】神川 康子 富山大学 名誉教授 博士(学術)一般社団法人日本睡眠改善協議会理事。日本眠育協議会理事。富山県公安委員会委員。富山県社会福祉協議会理事。
  • 【所属有資格者】 日本睡眠改善協議会認定 上級睡眠改善インストラクター 1名/睡眠改善インストラクター 6名 日本睡眠教育機構認定 睡眠健康指導士上級 2名/睡眠健康指導士 11名
  • 【活動内容】 「続けられる具体的な睡眠改善」をテーマに、専門的な見地からのデータ収集と分析及びソリューション開発を目的として設立。 寝具や寝室環境に関する調査研究や睡眠教育など広く社会に役立つ研究開発と知識啓発を行っている。 詳細はこちら https://nemuri-kurashi.jp/activities/