寝室の湿度は50%前後がベスト!高すぎ・低すぎるとどうなるかも解説

2023年5月25日

エムール睡眠・生活研究所

寝室で快適に過ごせる湿度は40~60%だといわれています。その湿度を保てるかどうかで快眠や健康にも大きく関わります。
季節によって湿度は変動し、気温によって湿度の感じ方が変わるので、うまく調節して過ごすことが大切です。

この記事では、快適な湿度の状態や高すぎたり低すぎたりした場合のリスクを解説しています。また、快適に過ごすための湿度の上げ方や下げ方も紹介します。

寝室の湿度は快眠や健康に関わる

寝室の湿度は快眠できるかにも関わってきます。湿度が低くなる風邪を引きやすくなり、逆に高すぎるカビやダニが繁殖しやすくなります。湿度が健康にも大きく影響するため、湿度の調整はとても大切です。

また、寝室で快適に過ごすためには、湿度だけでなく温度の調整も大切です。夏や冬それぞれの季節で、寝るときの適温があるので気を付けましょう。

寝室に適した温度について、詳しくはこちらの記事を確認してください。

寝室の湿度は50%前後がベスト

快適に過ごせる湿度は40~60%です。この湿度より低いと乾燥して体調を崩しやすくなり、高すぎるとカビやダニの繁殖など健康を害する原因を作り出してしまいます。

ここでは湿度が40%以下のときと、60%以上のときにどうなるのかをそれぞれみていきましょう。

湿度が40%以下の寝室だとどうなる?

湿度が40%以下の寝室は、平均より乾燥している状態です。鼻やのどの粘膜が乾燥し、ウイルスなどに対する防御作用がはたらきにくくなるのに対しウイルスは活性化するため、体調悪化の原因になり得ます。

他にも肌や目なども、乾燥しやすくなります。肌が乾燥すればかゆみなどを引き起こすため、ひどいときには気になって眠りが浅くなることも。湿度が40%以下の寝室は、さまざまな要因によって睡眠の質を低下させるのです。

湿度が60%以上の寝室だとどうなる?

一方で寝室の湿度が60%以上になると、高温多湿を好むカビやダニが繁殖しやすくなります。カビやダニはアレルギーや喘息などを引き起こす恐れがあります。

湿度は天候によって左右されやすく、特に梅雨から夏にかけては注意が必要です。冬で乾燥するからといって加湿しすぎると、結露の原因となりカビやダニが繁殖しやすい環境を作ることにも。

季節問わず、50%前後の湿度を保てるように加湿と除湿をバランスよく行いましょう。

寝室の湿度を上げる2つの方法

前述の通り寝室の湿度が低いと乾燥し、睡眠の質の低下や体調不良の原因になります。特に冬には、放っておくとどんどん湿度が下がってしまうので日頃から対策が必要です。ここでは湿度を上げる方法を2つ紹介します。

1.加湿器を使う

加湿器はその名の通り、湿度を加えるためのアイテムなので、効率良く湿度を上げられます。冬にエアコンなどで室温を上げると湿度が低くなるため、加湿器の併用は効果的でしょう。

ポイントは、なるべく部屋の真ん中に設置すること。ベッドやテーブルなどの大型家具がある場合は、壁や家具に当たらないようにしましょう。全体に行き渡るようにするのがコツです。窓際だと空気が冷えやすく結露の原因になるため、窓の近くも避けてください。

湿度を上げると、水蒸気が空気の流れが悪いところに滞ってしまうことがあります。湿度を上げたい場合でも、適度に換気を行って空気が滞らないようにするのも必要です。タイマー機能があれば、1~2時間で止まるように設定しておくと、加湿のしすぎを防げますよ。

2.濡れたタオルを寝室に干す

加湿器がない場合には、部屋に濡れタオルを干すのも有効です。洗濯物の部屋干しでもよいでしょう。衣類が乾くときに水分が空気中に放出されるため、加湿器と同じような効果が期待できます。

加湿器と同様にタオルや洗濯物を干す際は、家具や壁、窓の近くは避けてください。カビの原因になります。空気の循環のため、エアコンやサーキュレーターを併用すると湿気の滞りを避け、効率良く湿度を部屋全体に行き渡らせられるでしょう。

寝室の湿度を下げる5つの方法

梅雨や夏の時期には暑さとともに寝室の湿度も高くなります。湿度が高いと、ムシムシして寝苦しくなってしまうことも。また、カビやダニの繁殖もしやすくなるので、アレルギーや喘息などを引き起こすことも考えられます。湿度を下げる方法を解説します。

1.除湿機を使う

湿度を上げる際は加湿器ですが、下げるには除湿機の使用が効率的です。換気がしにくい部屋やクローゼット内でも使用できますよ。空気清浄機能が付いたものなど種類も豊富なので、1台で寝室の環境を快適に整えてくれるでしょう。

ただし除湿のしすぎには注意が必要です。除湿をしすぎることによって反対に乾燥を招く場合があります。冬の乾燥と同じように、皮膚がかゆくなったり、風邪を引きやすくなったりするので、湿度がどれぐらいなのか気にしながら行いましょう。

2.エアコンの除湿機能を使う

エアコンの除湿機能も湿度を下げるのに有効です。部屋の空気を循環させて、湿度が同じ場所に溜まらないようにするはたらきもします。温度も適温にするので室内を快適に保てますよ。

冬は乾燥しているので、エアコンを稼働させるとさらに乾燥してしまいます。冬に除湿をしたいときは、次に紹介する「風通しをよくする」や「吸水性のよい寝具を使う」をチェックしてみてください。

3.風通しをよくする

こまめに換気をして風通しをよくすることで、湿気を外に逃がし湿度を下げられます。窓や扉を複数開けて空気の通り道を作ると、効率的です。

換気は季節を問わず、1年中必要です。雨天の換気は「逆に湿度が高くなるのでは?」と思いがちですが、室内に雨が吹き込まない程度なら換気は可能です。ホコリやチリなどを外に出せるため、カビやダニなどの発生を防ぎます。

4.結露を防止する

結露は窓サッシなどに水滴が溜まるため、湿度が高くなる原因になります。さらに結露した場所には、カビが発生してしまうことも。結露は外気と室温の差が高くなると起こるため、換気で空気を循環させて湿気が同じ場所にとどまらないようにするのが効果的です。

5.吸湿性のよい寝具を使う

湿度は空気中の水分が多いと高くなるので、吸湿性の高い寝具を使用して軽減させるとよいでしょう。吸湿性が低い寝具だと、布団やマットレスが湿気を吸い込みカビが繁殖する原因になります。

また、布団の中の湿度を下げるために、敷きパッドの使用もおすすめです。冬場は吸湿性が高く、暖かいウール素材を選び、夏場は汗を吸い取ってくれるパイル地や、ひんやりと感じる涼感素材を選びましょう。季節に合った素材を使用して、快眠を手に入れてくださいね。

敷きパッドの使い方は下記の記事を参考にしてください。

寝室の湿度を保って快適に過ごそう

寝室の湿度が高すぎても低すぎても、睡眠の質や健康にはよくありません。湿度は50%前後に保つことが重要ですが、加湿するときも除湿するときもやりすぎには注意してくださいね。

寝ている間の快適さには、吸水性のよい寝具を使うことも大切です。毎日のよい睡眠のため、自分にあった方法で寝室の湿度を保ってくださいね。

執筆者/監修
Author

エムール睡眠・生活研究所

  • 【所長・主席研究員】神川 康子 富山大学 名誉教授 博士(学術)一般社団法人日本睡眠改善協議会理事。日本眠育協議会理事。富山県公安委員会委員。富山県社会福祉協議会理事。
  • 【所属有資格者】 日本睡眠改善協議会認定 上級睡眠改善インストラクター 1名/睡眠改善インストラクター 6名 日本睡眠教育機構認定 睡眠健康指導士上級 2名/睡眠健康指導士 11名
  • 【活動内容】 「続けられる具体的な睡眠改善」をテーマに、専門的な見地からのデータ収集と分析及びソリューション開発を目的として設立。 寝具や寝室環境に関する調査研究や睡眠教育など広く社会に役立つ研究開発と知識啓発を行っている。 詳細はこちら https://nemuri-kurashi.jp/activities/